Theodra

本、映画、香水、歌、旅。思い付いたことを徒然に。

ラヴェンナ

モザイク画が見てみたくて、ラヴェンナに行った事があった。

 

広場と大通りが一つだけの、小さな街。

ホテルに荷物を置き、ガラ・プラキディア廟を探しに出たが、なかなか辿り着けない。

「Mi scusi madam. Dove il Mausoleo di Galla Placidia?」(ガラ・プラキディア廟は何処でしょうか?)

茶がかった金髪の上品な老婦人に尋ると、

目の前の建物がそうだけど、と面白そうに告げられた。

 

古い時代の煉瓦に覆われた地味な外観は、まるで納屋のように見えた。

 もちろん、目印も標識も無い。

 

入口を探し横の小道に入ると、夕暮れ時の薄明かりの中、寝ぐらに戻る鳥の群れがガラ・ プラキディア廟を背に、一斉に旋回をし、何処かへ飛び立った。

 

旅の途中だったが、遠くまで来たのだ、とその時初めてそう思った。